2019年度 進級制作「AROMA HILL DAIKANYAMA  ~くつろぎの丘~」

建築設計デザイン科1年1組 石川・木村・権田・菅井・中村・宮崎

この課題は、2年生への進級制作です。建築学部の全科統一の課題条件です。グループで意見を出し合い、グループで作図や模型を作成し完成するものです。意見や感性のぶつかり合いの中、リーダーを中心に調整、作り直しなど。モノづくりの厳しさや楽しさを学生たちは実感できたと感じます。

代官山は、駅を中心にT-SITE・アドレス・ヒルサイドテラス・ログロード等が点在し、街全体が時間の流れをゆっくりと感じられる落ち着いた街並みが特徴です。
敷地は、駅から少し離れた場所に今回の計画敷地は位置している。周辺を分析した際に都市が果たす役割に反し、大きな問題が3 点あると感じました。①敷地のガラパゴス化。②シンボルの欠如。③その原因は、歩道の狭さである。
これらの問題点を踏まえ、3つのコンセプトを基に設計を進めた。
1 つ目は「再生」。ガラパゴス化していると感じた。計画敷地に連続性を持たせ、景観を再構築することを念頭に設計。
2 つ目は「注目」。2つの通りに面した南側に象徴的な丘を計画し、人々の新たな動きを創造し、注目されるシンボルを形成。
3 つ目は「調和」。そこに住む人と観光に訪れるもの双方がゆったりと過ごせる本来の代官山のイメージを強く感じられるようにした。
都市の景観を再生させ、その場を注目させる工夫を凝らし、全体の調和を図ること。この場が、ここにいるすべての人へくつろぎの丘として機能するように計画した。

配置計画:敷地西側の人目の付きにくい位置に住戸を置き、東側の賑やかな場に商業施設が設計のセオリーだが、あえて我々は逆にした。2つの通りに面した丘の上に住居スペースを置くことでゆったりと過ごす感覚が得られ、同時にプライバシーの確保を狙っている。丸の造形にはこの場を中心に集い、新たな循環を生み出す願いを込めている。駐車場は敢えて中央に設けることで新たな空間の使い方に挑戦した。

1 階。丘では近隣住民や近くの会社員、観光客などが集い、思い想いの時間を過ごせるような雰囲気とした。エントランス入り口にある庭は住人専用とし趣の違う2つの緑が目を楽しませてくれる。施設は天井を高く開放的に設計し、南北に二つの入り口を設けた。真ん中に抜けた動線が、新たな人の流れの形成に寄与している。
2 階。イベントスペースでは、不定期に地域や企業のイベントが開催され、プライベートとパブリックの中間スペースとして両者をつなぐ役割がある。ショップエリアは、窓枠やガラスを縦のラインで統一し、ショップ毎の屋根傾斜角度を変えデザイン性を高めた。
3 階。共用部の庭では、パーティーや余暇を楽しみ、ペットを遊ばせるなど使用目的は多種多様。住戸内の土間は広め、ペットが汚れた足のまま家の中に上がらずに浴室へ行けるような配慮をした。
4 階。間仕切りを排したホテルのような部屋を意識した。また部屋の間仕切りを固定せず、天井のレールから取り外しできる部屋も用意し、住民のライフスタイルに合わせてカスタマズする部屋も用意した。
5 階。5 階の2 住戸は住戸内の床レベルをキッチンは50 ㎝高く、ベット・リビングスペースは50 ㎝低くすることでキッチンからダイニング、リビングを見渡せ、室内の人の存在を感じながらも、代官山の景色を眺めゆったりと過ごすことができる。
複合施設の最高高さは15m 住居最高高さは24.5m 。それぞれの高さや屋根の傾斜を変えることで建物に変化をつけています。

模型。百分の一模型はあえて段ボールのみで作成し、土や木々の暖かみを表現いた。
周辺環境はスチレンボードのみで作成し、無機質なコンクリートと模型の対比を狙った。
五十分の一模型では、建物内部のレイアウトや色味などを表現した。
コンセプトに対しての結果です。
1 つ目の「再生」では、周辺環境とのつながりを意識したことで代官山の新たな風景を創り出した。木々や緑の自然はかつての代官山の原風景を感じ取れるようになったと感じる。
2 つ目の「注目」では、象徴的なシンボルの計画から都市の価値向上に寄与した。人々の新たな動きを体現できた。
3 つ目の「調和」では、住民は都心にいながらもゆったりと過ごせる住環境を整え、観光客には、単なる都心観光だけでない五感を通じての体験を通し、付加価値の高い提供ができた。

ギャラリー

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