2025年度 建築学部 卒業制作 優秀賞

建築設計デザイン科 宮下 秋

従来の木密では敷地いっぱいに建物が建ち、敷地全体がプライベートゾーンでした。木密を解消するために軸組のみを残して空間を新築する事で、敷地内に余白が生まれます。従来はプライベートだった空間が余白となり、パブリックとして地域に還元します。地域に還元されたパブリックゾーンに住まい手の営みが滲み出し、住戸ごとの形でプライベートゾーンとしての領域が生まれます。日本人の謙虚さから間には隙間が生まれ小道ができることもあるでしょう。建築的な密だったものが人々の営みの密として生まれ変わりました。また、広場を突然あたえても人々は営みを表出させません。建築操作で出来た軸組が営みを表出させるキッカケとなります。敷地内の木造住宅の外壁とスラブを全てはがし、軸組みのみを残すことによって、木密地域の主となる要素を抽出していきます。スケルトンになった軸組群は、その先の木密地域を風景として切り取り、木密地域の営みをさらに強調させます。スケルトンになった軸組を繋げながら新しい空間を設計し、スラブや壁、筋交い、構造用合板などを構造体として新築します。既存の軸組は構造としての役割を失い、風景とインテリアとして生まれ変わります。かつて賑わっていたこの地に再び新しい風を吹き込むことを願い、木密を残しながら、住民の営みに溢れる集合住宅を提案します。

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