2024年03月08日

敷地は山梨県富士河口湖町に設定した。

富士山観光のスポットとして多くの観光客が訪れる場所である。河口湖周辺にはアクティビティ施設やキャンプ場、美術館や博物館もあり幅広く楽しめるエリアとなっている。

家族構成は、キャンプ場運営の夫婦と引退した家具職人の祖父、高校生の息子と中学生の娘の5人家族とした。

コンセプトは富士の隠れ家。理由として、河口湖付近で暮らしてきた人にとって富士山とはどんな存在か考えた。この地で生まれ育った人にとってはシンボルであり、日常の風景でもあり特別な思いがあると感じた。私が生まれ育った地元には桜島があり、噴火するたび火山灰が降り生活に困る。しかし、心の中では誇らしく大きな存在である。山に対する思いは河口湖周辺の方々も一緒だと思われる。そのような富士山を取り入れて、地域の方たちにも親しまれる住宅を目指した。

ダイアグラム。富士山は1つの山としてとらえられるが、以前は4つの頂を持つ山だったそうだ。その山をイメージして敷地にコアとなる4つの円錐台を配置。道路レベルにスラブを設けて人工的な平地を作る。その下の円錐台の間に、傾斜に合わせたスラブを積層し居住空間を構成した。道路レベルに人工的な平地を作ることで傾斜の間に居住空間を設けることで傾斜を活用した。建物高さを抑え、屋上階をパブリックスペースとして活用し地域に開かれた建築にした。道路から敷地を見たときには公園のような光景が広がり、居住空間は見えない隠れ家となる。また建物高さを抑えることで、街の景観にも寄与し道を歩く人も眺望を楽しむことが出来る。4つの円錐台は各個人の部屋で上部のトップライトから日中は光を取り込み、夜は月明かりが楽しめる。

屋上には工房を設け、キャンプにきたお客さんや地域の方との家具製作やDIYのワークショップを行う。中央部分には、県木でもあるイロハモミジにベンチを設けて富士山の眺望を楽しめるコミュニティスペースとした。木の下に人の集まりができて、多様な交流をするスペースとなることを期待した。

平面図と動線図。階段を降りて青い矢印の方向で玄関へとアクセスしていく。玄関の右手側にはゲストルーム。国内外の方が宿泊して、様々な交流が出来る。玄関右手に水回りスペースがあり、床スラブの高さを空間や用途ごとに400mmずつ段差を設けて、傾斜地に沿った高低差計画とした。外部テラスでは湖を見ながら食事や焚き火を楽しめるように計画した。

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