建築設計デザイン科1年1組 渡邊あゆみ

建築を学び始めて6カ月。初めて自分の考えで、クライアントに喜んでもらえる「家」を設計しました。
敷地は、実在の公園を仮想敷地とし、家族構成両親と子供一人。全員で現地を見に行き、東側にある山手線の騒音、北側公園や西側隣地住宅、南側の病院との関連性を確かめ創造しました。

計画敷地は、駅から徒歩約10分の場所に位置し、道路を挟んで東側にJR線の線路、その奥に恵比寿ガーデンプレイス。南側に病院、建物自体は敷地から少し離れているため、南側は採光がよく明るい空間となっている。また、病院の入口は建物の南側にあるため、病院からの騒音などはほとんど感じられない。東側道路は駅から病院への経路となっているため、人通りや車の通りが予想される。北側は道路を挟んで公園があり、植栽も多く、比較的落ち着いた雰囲気の公園です。西側には、3階建て集住住宅が隣接しており、バルコニーは計画敷地側に面しているので、プライバシーの確保が必要だと考えた。

青野家は両親と娘の3人家族。
夫、陽平さんは34歳。職業はITエンジニアで、週に3日は自宅で仕事。
妻の馨さんは、現在は盆栽教室の先生をしている。
両親ともにゆっくりくつろげる、そして友人達も呼べるような住宅を希望しています。
娘の瑛美ちゃんは、来年から幼稚園に通う、両親のことが大好きな明るく元気な2歳の女の子。以上の敷地考察と家族構成を考慮して、地域に開かれた併用住宅として計画した。

コンセプトは、Home
そこに住む家族だけでなく、友人や地域に暮らす人たち、旅行で訪れた人たちなど、
誰にとっても、楽しく心地よく。また来たいと思うような、帰って来たくなるような空間をつくりたいと設計しました。

建物は3階建て。
フロアーごとにテーマがあり、空間に変化のある、構成にした。
1階はevery 誰でも受け入れられることができて、誰にでも受け入れてもらえる場所。
2階はfriendly 親しい友人や親族などと共に過ごすことができる広々とした空間。
3階はfamily 家族だけのための特別な空間で、 都会の中のオアシスをイメージ。

1階は、パブリックな空間。誰にでも開かれたスペースとして様々な使い方をすることが可能。教室入口は東側にあり車椅子の人や高齢者など体の不自由な人のためにスロープを設置。盆栽教室なので、教室は土足として、パブリックな部分はフラットにしている。
教室の南側にはウッドデッキがあり、お茶で一休みできる。藤棚を設置し、藤の花言葉に「歓迎」という意味があるように、人々を温かく迎えられる場所とした。四季の変化を感じられるとともに日射調節としての機能もある。教室の北側に中庭を配置し、盆栽教室の先生である馨さんが手掛ける和風庭園を眺めることができる。和をイメージしたモダンな庭園なので、少し暗くて、湿った、落ち着きのある空間を作るために、中庭を北側に配置した。休日には、夫の陽平さんが、教室や中庭でカフェを営業。その他、教室の生徒の作品やアーティストの作品を展示する小さなギャラリーとしても活用できる。教室の西側にはミニキッチンとトイレ、洗面台を配置。教室側からも、住宅側からも利用できるようにすることで、利用頻度が高く、清掃などの管理を容易にした。住宅部分は、敷地西側にある住宅の玄関が北側あるので、近所とのつながりを持てるように、北側に入り口を配置した。中に入ると、ホールと収納と室内から庭につながる土間があり、プライベートな部分ではあるが、家族以外の人が通る可能性を考慮して、静かで落ち着いたシンプルな空間にした。
南側には芝生の庭があり、普段は塀で仕切られて、プライベートな庭となっていますが、
イベントを開催するときなどだけ、開放されて、普段とは違った広い空間としてより多くの人々と過ごせる空間として活用することができる。南側と北側の窓を大きくすることで、風の通り抜ける空間にした。

2階に上がっていくとLDKの広い空間が広がる。
一角に和室をつくり、普段はリビングとの繋がりのある空間として、友人などが来た時は建具で仕切り、ゲストルームとして使用できる。ダイニングの東側には広いバルコニーがある。居住空間が2階と3階であるため、1階の庭との繋がりがないので、1階とは雰囲気の異なる庭として感じられるようなバルコニーにした。バルコニーの北側にはゆったりと1階の中庭を眺められるスペースを階段状に設置した。広々とした一続きの空間で、映画鑑賞、ボードゲームやホームパーティーなどの楽しみ方ができる。
水回りは、北側にまとめ、周りを回れるようにし、空間を広く感じられるようにした。また、隣接する公園が見え、そこで娘が遊んでいるのを見守れるようにした。水周りの東側には、ウォークインクローゼットや洗濯物を干すためのバルコニーがある。手間がかかる洋服の収納をしやすく、短い導線で家事ができるようにした。

3階に上がっていくと、フリースペース、ワークスペース、寝室がある。
ワークスペースの前の吹き抜けを通じて、家族とのつながりを感じられるよう計画した。
今は娘が小さいので、家族3人で一つの寝室としているが、将来は現在の寝室を子供部屋に、フリースペースを建具とウォールシェルフで仕切って夫婦の寝室とする予定。寝室からワークスペースまでを広範囲にわたるバルコニーは、全面芝生にして裸足で歩いても気持ちがよく、奥さんの趣味であるヨガやワークアウトを天気の良い日は青空の下で行えるにした。寝室から中庭を見ることもできる。バルコニーに面している壁をガラス張りにすることで、開放感があり、光もよく入る、都心に居ても、自然豊かな場所にいるような安心感や落ち着きのある空間を演出した。

ギャラリー

このページの先頭へ戻る