2017年11月27日
※建築科1年前期課題 建築設計Ⅰ「都市の住処~地域に開かれた併用住宅」
 優秀作品講評会選出作品
 
(設計主旨/鳥飼理央)
今回の敷地の特徴として、南側の公園と住宅とで視線が行き交うこと、東側に走る線路からの騒音、その先に広がる恵比寿ガーデンプレイスなどの眺望が考えられます。そこで、もともとデザインとして好きな屋根の一つである片流れの屋根を取り入れ、敷地の特性を最大限に生かすことに配慮し、母親が料理教室を営む併用住宅を設計しました。北から南への片流れ屋根と張り出したひさしが採光を緩やかに調光し、屋根の中央部を抜くことで北側部への採光にも配慮しました。北側に設けた大開口から採光や恵比寿の眺望をダイナミックに取り込むとともに、教室の活動シーンを発信するガラススクリーンとして機能させるようにしました。また、北東部コーナーに計画したオープンスペースは、公園と視覚的に連続させ教室生や地域住民が交流の場として自由に利用することができます。2階に設けた大きく張り出したテラスからは眺望を楽しめ、視界を遮るもののない開放的な空間となっています。敷地の既存林をできるだけ残し、中央部の樹を囲むような配置にし、日常的に緑を感じられる空間をめざしました。
 
 
(本設計課題条件および内容)
都市の限られた場所に、夫婦と子供一人の家族のための生活空間をつくる。家族の具体的な設定は各自が自由に考えること。用途は「併用住宅」とし、住宅用途と非住宅用途(母親が教える習い事の教室)を併せ持つ建築とする。また、外構をそれら用途と関連づけて一体的に計画し、明るく開放的な空間にする。配置計画においては周辺環境との関係におけるパブリックな要素を取り込み、動線計画については住宅部分のプライバシーも考慮して、住人用と外部から訪れる人用の2つを計画すること。計画に際しては、敷地やその周辺環境をしっかりと読み取り、コンセプトに反映させること。各自が設定した二人の仕事、趣味、交遊といった社会との関わりや、食事、入浴、睡眠、くつろぎなどのライフスタイルをできる限り具体的に考え、都市のなかで暮らすということをリアルに表現していくこと。

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