今回の計画は、ゆったりとした鎌倉の自然を感じられる鶴岡八幡宮と、人の営みが賑わう小町エリアのちょうど中継地点にあります。この場所を、鎌倉の静の魅力が入り混じる中間領域として、「鎌倉の杜」と名付けました。鎌倉のにぎわい・自然の両方を満喫することができ、名店を発見、再認識するきっかけとなる複合施設を設計しました。

鎌倉の杜は、敷地全体を庭とし、その中に静の空間・動の空間をもつ建物を設計。静・動を分断するのではなく、中間領域として庭で全体を包み込むことで、何処にいても居心地の良さを感じることができます。一階を動と捉え、二階を静と捉え計画を進めました。

一階平面図

敷地いっぱいに広がる庭は、全体の統一感をより感じられるよう水庭とし、建物全体を水に浮かしたような構成とした。庭園に中間領域としての役割をもたせる為の要素として、5つ「光、縁側、水、石や植栽、回廊」を用いて庭を構成した。

各店舗は回廊で繋がり、出入りをしやすく設計。また、調査時に歩道が狭く、混雑で人の行列が車道まで飛び出してしまっていた。そのため、混雑緩和と安全面も考慮し建物をセットバックすることで歩道を提供した。

さらに、この敷地に四つの通路を設け、各通路から引き込むように、庭の中心まで回廊をめぐらせることで、人を動かし、賑わいを演出します。回廊を中心にベンチを点在させ、ひとのたまり場をつくります。小さな子供連れのご家族でも安心して楽しめる様にGL-150の浅い水盤(じゃぶじゃぶ池)を設置した。庭園には階段を配置することで庭園から1階2階の各店舗全てにアクセス可能とした。

二階平面図

北側に飛び出す二つの棟はそれぞれ庭園を持ちます。デッキまではみ出した茶屋の庭園やレストランのテラスで屋内と屋外の中間領域を演出し、2階を包み込む形で設計をした。

店舗の構成

5つの店舗「ポップアップ、ファクトリー、茶屋、レストラン、工芸工房」を設け、各店舗のサインは家紋をイメージして統一し、一目で何のお店かイメージしやすいように設定した。
施設サインは鎌倉にゆかりのある源頼朝の家紋が無紋となっている点から無紋とし、サイン自体はシンプルな枠のみにし、その中身を各店舗が彩るという意味を持たせた。

店舗配置では1階を動ととらえ、ターゲットを活発な層とし、ポップアップ、工房、ファクトリーを設置。体験をメインとした店舗が主に入っています。
2階は静ととらえ、落ち着いた層をターゲットにレストランと茶屋を設置。鎌倉の食や景色を楽しむことができる。

 

ギャラリー

このページの先頭へ戻る