2021年03月19日

『タユタウハウス』
建築科1年2組 丹羽 崇克

「外と内の豊かで多様な関係性をもつ住空間」
海の見える傾斜地、架空の敷地設定だが具体的なイメージや場所は設定をする。敷地内には出来る限り現在位置のまま保存すべき樹木と巨石がある。これらを景観や庭やインテリアなどとしてプランニング上に取り込み保存できるように計画すること。家族構成は40歳代夫婦と子供2人(長男:高校3年生、長女:中学3年生)と父親のお父さん(70歳代)の5人家族とする。

「たゆたう家」
伊豆の風光明媚な傾斜地にある敷地、この場所で家族5人が週末を過ごすための住宅を設計するということで、この敷地を読み解く作業から始めた。海を臨む傾斜地で考えられる条件に「海陸風」というものがある。この特別な性質を持った風を今回の計画の主軸とした。
ゾーニングでは、海陸風の特徴である海風と陸風を効率よく空間に取り込む事が出来るよう、壁を傾斜に沿って建てることで建物の方向性を創り、風を取り込めるよう意識する。また壁に沿って流れるという風本来の性質を活かす為に壁を不規則な曲線とすることで、取り込んだ風が建物の中を「たゆたう」ように風の流れをデザインする。また海陸風という現象の中で一番ドラマチックな瞬間である「凪(なぎ)」。それを傾斜の中間に設けたパティオという空間を用いて表現した。
週末という特別な時間にこの家を訪れ、時間ごとに表情を変えながらたゆたう風に身を任せ、木々や水面のたゆたう様を感じながら、家族と共にたゆたう時間を過ごして欲しいという想いを込めて設計した。

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