たまには教室を抜け出し、校外学習へ。
先日はTOTOギャラリー・間へ行き、建築家・坂 茂氏の展覧会「プロジェクツ・イン・プログレス」を見学してきました。
坂氏は世界を股にかけての活躍の一方、災害支援として紙管を構造体に使ったシェルターや仮設住宅なども提案してきました。それら災害支援と多彩な建築活動が高く評価され、建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞も受賞しています。
2017年パリ近郊のセガン島にオープンする「ラ・セーヌ・ミュジカル」の巨大な断面模型や着工から竣工までの定点観測映像などは見ごたえのあるものでした。また、多くの模型やモックアップ、映像などにより、最新のプロジェクトについても知ることができました。
その後、近くの国立新美術館へ。
以前から気になっていた「ミュシャ展」を見学しに行ってきました。
アール・ヌーヴォーを代表する芸術家のアルフォンス・ミュシャは当初なかなか芽が出ず苦労しました。しかし、パリにおいて当時の大女優サラ・ベルナール主演の「ジスモンダ」という舞台のポスターを手がけることになり、一躍大成功をおさめます。その優美で装飾的な作風は今でも多くの人を魅了しています。
そして、なんといっても今回の目玉は「スラヴ叙事詩」です。
自身の故郷チェコのルーツであるスラヴ民族のアイデンティティをテーマにした作品群です。その画家人生の晩年に手掛けた渾身の作品は巨大なカンヴァスに描かれており、20点に及ぶ油彩画は古代から近代に至るスラヴ民族の苦難と栄光の歴史を映し出しています。
パリ時代のグラフィカルで優美な作品と、自らのルーツを辿り晩年を捧げた渾身の作品群を一気に見ることができました。とにかくその圧倒的なスケールと迫力、作品中の人物の訴えかけてくる目、存在感に大きな感動を得て帰ってきました。